奄美大島ネバーランドより、ふるたがお届けします。
今日はいつもの海の様子の投稿ではなく、テイストを変えたお話をひとつ。
海に入るダイバーとして、ガイドとして、持っておきたいなと思うのが
「おじゃまします」の心です。
出来る事なら、彼ら水中生物の世界を、入る前と変わらない様に、
スマートに潜り、なおかつその素晴らしさをガイドし、ゲストに喜んでもらいたいなと、いつも思っています。
でも実際に、我々人間が、海に入る事で、入る前と変わらないというのは、
かなり難しい事なのだけれど、やはりそこで持つべきは、おじゃましますの精神かなと思う訳です。
その心が、今年に入り、メキメキと育ってきたこともあり、
ここ最近、ゲストに適正ウエイトで潜ってもらう事を、前よりもずっと強く、勧めています。
先月いらしたゲストのある女性、155cmくらい。
標準体型で、5.5mmのウエットフルスーツで、申告して頂いたウエイトが5キロ。
前回のダイビングがアルミのシリンダー(タンク)で潜ったそう。
日本で潜る場合は多くの場合がスチールなので、まずアルミ→スチールになる事で、
2キロ減らす必要があります。
それで3キロにしたとしても、それはきっとオーバーウエイトでありますぞ、と。
だまされたと思って、2キロでまずもぐってごらん。
それで、潜ってもらい、問題なく潜れることを体感してもらい、
そのダイビングの後に、安全停止の時に1キロ抜いてもらい、適正ウエイトに近い1キロに。
(たぶん、ホントのホントはウエイトなしが適正ウエイト)
上がったあと
「めっちゃ楽だった~」
との事。
この言葉、めっちゃ嬉しいやつです。
オーバーウエイトにすると、エントリーする時に沈みやすいだけで、
ただ、水中で泳ぐときには必ず体が沈み、泳ぐのが疲れてしまいます。
潜っているのではなく、沈んでいるんです。
オーバーウエイトにしている為、BCの給気も浅い水深から吸気しなければならなくなる。
(適正ウエイトで潜れば、水深10mまでは息だけで浮力コントロールが出来ます)
浅い所は、水圧の変化が激しいので、BCの中に入れた空気もすぐに膨らみ、
結果、急浮上しやすくなってしまう可能性も高くなる。
さらに言うと、オーバーウエイトで足が沈んでいる状態で、BCに空気を入れると
BCの上の部分だけに空気がたまるので、フィンキックをしても正しい泳ぐ体勢が取れず、
どんどん浅い方に行く→BCの中に空気が膨らむ→急浮上につながってしまう。。。
なにより、体が沈む状態で泳ぐのって、とっても疲れるのです。
ホントにちょっとのコツで、ガラッと変わる浮力の取り方。
上手に潜れれば潜れるほど、水中は楽しい。
見れる世界も広がる。
押しつけにならないよう、体感してもらいながら、
適正ウエイトで潜る快適さと、自然へのお邪魔しますの精神を、
海のガイドをする中で感じてもらえるようなガイドになっていきたいな、と思います。
中性浮力。
手や足を使わず、呼吸だけで浮力をコントロールし、水中に浮いている状態。
これをあじわえるのは、ダイビングをした人だけ。
この浮遊感で海の中にいて、おじゃましますの心で、パーソナルスペースを守っていれば、
海中の生物たちが、いつもよりもリラックスした表情を見せてくれるような、
そんな気になります。
2018年も残り2か月ちょっと。
おじゃましますの精神で、楽しみながら潜っていきましょ(*´ω`)
ふるた