甲斐性ありな魚。

甲斐性ありな魚。

2019年の鹿児島本土の海より初投稿となります松田です。

今年も宜しくお願い致します。

 

今日ご紹介するのは私が見てきた魚の中で「求愛」という生態の中で面白い行動をするオビテンスモドキに巡り会えた事を書き記したいと思います。

鹿児島県本土でも小さな雌と思われる個体が多く、ペアや雄と思われる個体に巡り会う事ができませんでした。

昨年末から南さつまエリアで見かける様になったペアと思しき2匹はいつも一緒に泳ぎ岩礁域を縄張りとします。

いつも私はその魚の縄張りを把握する際は兎に角、雄の後を!その行く末を見守りながら把握します。このオビテンスモドキは縄張りの見回りに雌を帯同させる事もあり「どんだけラブラブやねん!」とツッコミつつ観察は続きます。

 

食事をする際は自分の体の大きさほどもある岩盤をひっくり返したり岩の隙間に顔を差し込んで甲殻類やゴカイの仲間などを探している様に見えます。

そんな行動を観察していると雄は自ら捕獲した獲物を雌に口移しで与えているではありませんか!!! 最初は口から出したり口に含んだり、また出したりと遊んでいる様に見えましたが雌が近づいてきてパクリ!!

他にも雄が岩盤をひっくり返したら雌がお先にパクパクと!!!これまた「どんだけレディーファーストやねん!」とツッコミつつ私の中では魚類でこんな求愛といいますか甲斐性を見せる魚も珍しいのでは!と思うのです。

 

巣作りも頑張ります!!

ベラの仲間であることから、この中で産卵などはしないと思いますが身を隠す場所を作っていると推測しています。

この巣を構築中もサンゴのカケラなどを咥えたまま雌の方を見る!!ポージングする!!のアピールも忘れません。

たくましく数時間にもわたり構築してゆきます。

うねりなどで崩れたあとにゲストさん方と観察も何回もできているのでお気に召さない時は何度も何度も作り直すのでしょう。

雌の横ですっかり私も彼のファンになってしまいキメ顔をパシャり☆

彼らの恋が成就する事を祈りつつ観察を続けていきます。

そして錦江湾より冬の間に水深30〜40m付近によく見かけるオーストンフクロウニ。

それ以外の季節では50m〜の水深でしか見かけません。

そのウニに高確率でくっついている「Allopontonia brockii」なるエビです。

錦江湾エリアも海藻の繁茂が爆発的になってきました。超特異な環境ですが皆様にお会いできる事を楽しみにお待ちしております。

 

 

鹿児島県鹿児島市下福元町7641

ダイビングショップSB

http://sb-diving.sakura.ne.jp

松田 康司