奇跡の滴

奇跡の滴

毎月7日は三保真崎から鉄が海の情報をお届けしています。
今日は珍しく北東の風が強く、いつもエントリーする場所からは潜れないので
クローズにしました。

なので、ここ最近の蔵出し画像でお楽しみ下さい。

いつもの場所が潜れない時には海水浴場、先端、内海などの場所もありますが
今日は無理せずに諦めました。
海水浴場から先端にかけては、コエダモドキの群生がみられ、そこには多くの
それらをホストとする生物が生息しています。このトガリモエビもその1つに
数えられます。

また、シュスツヅミなどのウミウサギガイの仲間の中でも内湾性を好む種は、
こちらの方が多く観察されます。よく見ると、カラフルなクモヒトデの仲間が
外套膜に張り付いています。

ストロボの閃光に驚いて脱糞する魚はたまにいますが、鰓冠を引っ込める際に
排泄するシーンを撮影するとは思いませんでした。

今シーズンは、サザナミフグが数多く来遊したようで、複数個体を観察しており
ます。しかし、フクロノリのベッドで寛ぐ姿は、なんともユーモラスな感じです。

ベニハナダイの幼魚に続いて登場したのが、フタイロハナゴイの幼魚です。
ハナダイの種類が多く群れる場所を通過する際、ほんの一瞬だけ色彩の違和感
を感じで、暫く待ってから岩の下を覗き込むとこんな状態で見れました。

最後に、この1ヶ月で最も感動したのが、このベニクラゲモドキです。

そろそろアンコウのシーズンだなぁ〜と思って、水底からいつもよりも高めの
位置から捜索をしていると、これまた一瞬!何かが通り過ぎました。慌てて、
反転してその通り過ぎたものを捜しましたが、見つかりません。
そりゃ〜そうでしょ。1m級の大きさの魚を捜索していて、小指の爪大の生物
を直ぐに認識する事なんて出来るはずがありません。
念のため、ライトを使って予測できる水間を照らしました。すると、赤鉛筆を
落下させてついたような小さな点がありました。
この時、何故か私の持っていたデジいちには35mmマクロが装着されていま
した。アンコウを捜しに行くのに、こんなレンズを付けて行く「ド変態」で
なければ、きっと撮影できていなかったでしょう。
以前から、このクラゲは見てみたいという願望がありましたし、できれば撮影
してみたいと思っていた生物なので、ファインダーで捕捉した時の喜びは絶叫が
もれるほどでした(だって不老不死ですよ、不老不死)。

他にも紹介したい生物は沢山いますが、どんだけ暇やねん!と思われるので、
この辺にしときます。
ここに来て、やっと水温が14度台になり少し安心をしています。南からの生物
にとっては酷な環境ですが、本来の生態系を確保するためには必要なサイクルな
わけですから、不条理を条理に戻すためにも受け入れなければなりませんね。

では、次は新年度にお会いしましょう。