限定ものに心惹かれるのは人の性ってやつ。
「世界でここだけ」
そんなフレーズは胸がうずうずするに決まってる。
アマミホシゾラフグの事です。
今日はアマミホシゾラフグについて。
奄美大島ネバーランドより、ふるたがお届けします。
今日はそんなフグの生態に迫りたいと思います。
2014年に新種登録された奄美大島固有種のフグです。
このフグの存在は、新種登録される前から、
奄美のダイビングガイドの中ではよく知られた子でした。
何年も前に、奄美大島南部でガイドをする先輩が見つけて、
そこから観察されるようになったフグ。
このフグは、一風変わった生態を持っています。
砂地に、絵を描いた様な、この模様。直径は1.5~2mくらい。
アマミホシゾラフグの♂が♀の為に作る、産卵床。
産卵床だけ見ると、謎すぎる模様の為、「海中ミステリーサークル」と呼ばれていたんです。
ちなみに、このサークルも、フグも、初めに見つかったのは、奄美大島南部。
奄美大島は、とっても大きく、南部と北部ではダイビングポイントが離れているので、
北部で潜るショップが南部に行く事は(ほとんど)ありません。
(ネバーランドは北部にあるんです)
なので、北部ではミステリーサークルが見つかってからも、
南部でしか見れないというジレンマを抱えていたのですが、
ここ数年になって、北部でもミステリーサークルが見つかったのです!
最初はミステリーサークルが出て、なかなかフグは姿を現さず、
少しずつ、フグの姿が観察出来る事も出て来て、今年は大分コンスタントに
観察が出来るようになったため、少しずつ産卵床作りまでの流れが分かってきました。
このサークルは、まだ未完成。作りかけの状態です。
いつでもあると言う訳では無く、♀が卵を産むタイミングに合わせて作ります。
大潮の始まる6日、7日前からフグは産卵床作りを始めるようです。
ちなみに作っている様子は
↑1分過ぎくらいからフグがやってきて産卵床作りが始まります。
飾りつけの為と言われている、貝殻を運んでいる所です。
献身的に産卵床を作り、大潮の二日前までには産卵床を完成させるアマミホシゾラフグ。
完成したミステリーサークルはこちら↑
サークルの中にもサークルが出来る、これが1番美しい状態です。
完成間近のサークルで、最後の仕上げをするアマミホシゾラフグです。
こうして完成した産卵床に♀がやってきて、卵を産み付ける。
このタイミングが知りたかった!!
ので、サークルの状態を毎日観察しに行ってみると、
大潮の前日、または、大潮の前々日、とデータ取れました(´▽`*)
これでそのタイミングで、あとは時間です。
産卵で使い終わった後のサークルは一目瞭然です。
前日の状態から、
この様に、真ん中に卵がある為、すぐ分かります。
この後は、♂は卵を守るためにミステリーサークルを見張ります。
「我、守り神」
そう言わんばかりの守りっぷりです。
とても健気で、萌えキュン度数は100%を振り切っています。
ちなみに、動画の卵は、サークルの中部全体に散らばっているのが分かると思います。
産んだ後、5日間、フグは卵を守りつつ、卵をかき混ぜるような動きをしています。
これがその姿。
ヒレを使って卵をかき混ぜ、全体に卵が散らばった状態で産卵するのかな?
謎は深まるばかり。
まだまだこのフグの生態は把握しきれていませんが、
だからこそ調べ甲斐、潜り甲斐があるってもんです。
次回のアマミホシゾラフグについて書くときは、
産卵の時間、孵化の時間に迫ってみようと思います~(*´ω`)
ふるた