衣替え

衣替え

やっと衣替え

毎月7日は三保真崎から鉄が海の情報をお届けします。

例年ですと4月下旬には、ドライスーツからウエットスーツへと衣替えをするのですが、今年は諸事情により1ヶ月も遅れてしまいました。
さすがに、ウエットのシーズンとなると、海の中は騒がしくなり生態行動の観察が忙しくなります。

ひょんなキッカケで定点観察をすることになったスナダコですが、孵化を確認できました。

漏斗のジェット水流を使って、稚ダコを瓶の外に出していました。

ゼミの学生の研究の延長線上で、この手のクリーナーやクリーナー擬態のギンポの行動を頻繁に観察するようになりました。

そうすると、今まで何気なく見ていた行動も違った角度で捉えるようになり、このカットの関係性が面白く見えて来たりします。

通常、ホンソメワケベラの周辺には、クリーニングをして欲しい魚が集まって来ます。
ところが、周囲に自分よりも優位なクリーナーが存在していると、そちらに顧客が行ってしまうので、そこに出向いてクリーニングしている行動が観察されました。

最近ご無沙汰をしていたホリキヌヅツミですが、新たな個体を見つけました。相変わらず素晴らしい外套膜の突起のポリプ擬態ですが、肝心のホストのポリプが閉じている状態では、かえって目立っているように思いますが(笑)。

浅瀬では、この時期に特有なアミの仲間が爆発的な発生をして、まだ索餌行動の下手な幼魚たちやこれから産卵期を迎える生物たちの栄養源となっておりました。

水温も20度を超えて、いよいよ生態行動のオンパレードです。寸暇と寝る間を惜しんで海と対峙する季節になりました。入れ込み過ぎないように気を付けて記録したいと思います。