皆さんこんばんは、鹿児島県本土より松田がお届け致します。
例年よりひと月程遅れて九州南部も梅雨入りです。今年は梅雨入りが遅かった分梅雨が長引くのか、或いは空梅雨なのか、それらがどのような影響を海へと及ぼすのか個人的にもガイドの肥やしとしても楽しみにしております。
少しずつ上昇する水温に生物たちの活動も活発になってきました。
ホンベラの雄同士の闘争。
縄張りを取り合い左の個体がよく見ると顔中傷だらけですが、最後は縄張りを勝ち取り右の下唇を噛まれている方、すごすごと退散していきました。
手や足を使えない喧嘩と言おうことで所謂、口喧嘩ですが苛烈な戦いでございます。
ゲストが来る少し前にはチャンスを見つけて朝潜りです。
スズメダイやギンポの仲間の産卵行動も多く見かけますが、キタマクラも絶好調です。
とても広い縄張りに4〜5匹のメスを抱え、短時間の間に次々と産卵を終えていきます。
写真は左の大きく青い個体が放精中の雄、右の体を丸く埋め踏ん張って産卵中のメスです。
昨年からデータを取り続けているコロダイの群れ(繁殖行動を前提に集まっていると思われる群れ)
時間や潮回りなど着実にいいデータが取れております。
産卵3日前からジワジワと根に集結し20〜30の群れ(写真のような群れ)が最終的にはいくつか合体し大きな群れになり、そのピークを終えた翌る日には1匹・・・・・2匹しかいなくなる現象が、現在3サイクル目です。
数ヶ月の間に複数回狙えるチャンスも現実的になってきましたし、個人的に今一番熱い魚です!!!
潮通しの良さそうな海にいるシイラですが、その幼魚を錦江湾の港内で発見です!!
人口60万都市の港はゴミが浮き、船舶から溢れた油が浮き、そんな透明度20cm程の環境に漂い幼い頃を過ごす、このシイラに大海原を見てほしい。
誰も見向きもしない、この海から世界を旅してほしいな。
今月の最後は、アマモ枯れゆく中にハッチアウト直前のアオリイカの卵。
アマモが生い茂る頃に、その海藻の森の奥深くに卵を産み付けるアオリイカ。
なんで、そんなに奥深くに産む必要があるのだろう・・・・・・?と不思議に思っていましたが、このシーンを目の当たりにすると納得です。
枯れ果て、地に伏して辺りが見渡せる頃にハッチアウトすると、稚イカは海藻の森に迷わずに外界へと旅立てるわけです。
海藻が生い茂る頃には、多くの魚(捕食者)も居ついている為、この頃にハッチアウトするのを見越しての産卵なんだなぁ〜
果てる命(海藻)と始まる命(稚イカ)に感動っす!!
鹿児島県鹿児島市下福元町7641
ダイビングショップSB
松田 康司