きのうまでは初夏

きのうまでは初夏

毎月7日は、三保真崎から鉄 多加志が最新の海中情報をお伝えします。と言いながらも、この連休後半は惜しまれつつも、今年の3月31日にこれまでのような一般公開を止めた東海大学海洋科学博物館が完全予約制で新たなスタートを切った陸上のニュースからです。
閉館する話しを聞いたときは、5月の大型連休に、もぉこの光景を見る事がなくなってしまうのかぁ〜と落胆しましたが、希望の鯉幟を青空につなげて良かったです。

さて、ここ数日の海の中の様子をお伝えしましょう。

4月の末は水温が17度で、衣替えを躊躇う感じでしたが、日を追うごとに水温が上がり、現在は19度になりました。18度のタイミングでドライからウエットにチェンジしました。

水温が上がってくると去る生物と(生まれて)来る生物があります。春を告げる生物の代表格であるミズヒキガニは、産卵も終わりそろそろ姿を見せなくなると思います。

先月にお見せしたホリキヌヅツミとは別個体で、ホストも違いますが見事な擬態は変わりません。

こちらも去る生物のひとつに数えられるテナガカクレエビ属の1種です。このスナイソギンチャクの2個体が把握している中では最後です。

産卵床を造り始めたマツバスズメダイです。ちょっと疲れたのか眠そうです(笑)。

ここ数年、個体数が激減してしまって、紹介する機会が無くなっていたマトウダイが3年ぶりくらいに復活しました。1エクスカーションで3〜4個体の幼魚や若魚に遭遇するようになったのは嬉しいニュースの一つに数えられます。

こちらも一時期は、全く姿を見なくなってしまっていたヨコスジイシモチですが、1個体ですが定点で観察ができます。

それ以外にも、復活を遂げたと言って問題の無い生物も複数個体が観察されて、世の中の明るさや雑踏の復活とともに三保真崎の海中も豊かさと賑やかさを回復して来ました。

今年は、どんなワクワクを見せてくれるのか、楽しみです。