愛の円周走。

愛の円周走。

鹿児島県本土の海よりこんばんは。

錦江湾と南さつまの海より松田がお届け致します。

12月に入り気温も水温も低くなり、何より日の入の時間も17時もそこそこと子供の頃ならこんなに陽が暮れる時間が早くなることを嬉しく思うこともなかったと思います。(陽が暮れる頃には遊びをやめて家に帰らなければならないから)

 

32歳の私にとっては大人な嗜みのお時間です。内容もアダルトですしね(笑)

今回の主役は鹿児島県本土では超普通種ながら鹿児島県の離島にはあまり見かけないらしいカサゴの交尾。

今シーズンも数十匹のメスと交尾を交わしているこちらのカサゴの雄々しい雄(夕方の時間帯は雄々しく局部をチラつかせている)。

昼の時間帯は縄張り内の岩の隙間や裏側に潜んでいるカサゴも日の入1時間程前からグルグルと円を描くように縄張りを巡回し始めます。

鹿児島の環境を入れたい!ということでシコロサンゴを背景に。

このようにサンゴの隙間を縫い巡回します。

この巡回には観察を続けていく上で他の魚種同様にいくつかの意味合いがあることがわかったきました。

・近いエリアの縄張りの雄への牽制。

・メスが縄張り内にいないか確認。

・サンゴの上を泳ぐことにより交尾待ちのメスへのアピール。

中層や上層を泳がない彼らにはアピールするためには激しい動きや鮮やかな色ではなく地道に「足でかせぐ」方法が1番相方に巡り会える方法なのだとわかった。

お目当のメスに巡り会うとメスの体に触れ合うように胸鰭をハタハタと振って求愛を行います。

もちろん全ての求愛がうまくいくわけではなく、好みではなかったり或はすでに交尾を終えたメスはそっけなく通り過ぎたり、私に構わないで!とばかりにそっけない態度をとります。

受け入れてくれる場合にはメスは口を大きく開きOKサインを送ります。

 

メスがリードするように少しの上昇ののち交尾します。

放精・放卵とは違い交尾する魚(卵胎生)も珍しく普通種ながら一層感動を誘います。

年末から年始にかけ次は仔魚放出も見ものでございます。

桜島の溶岩エリアの中でも大正噴火での溶岩エリアはもうじき噴火後105年目に突入します。

海底景観は全て105年以内の歴史の海!と、海を形成した歴史を断言できる海も珍しくないでしょうか?

 

105年前の溶岩にはこの時期、アカモクやホンダワラなどガラモが芽生え溶岩の岩肌を覆い尽くそうとしています。

毎年、毎日繰り返される海の営みにいつも驚きと感動をしつつ2018年もありがとうございます。

また2019年もよろしくお願いいたします。

鹿児島県本土の海、錦江湾と南さつまより松田でした〜。