秋深まる

秋深まる

こんばんは!

28日になりましたので伊東よりヒデがお送りいたします。

 

ずっと不安定な各季節。

この秋も同じくですね・・・

8月は結局一度も台風が上陸せず、9月に入ってもその気配なく過去経験したことのない季節の動き。

9月後半になり矢継ぎ早に発生する台風も今までと違った変なコース。

去年も様々な場所で「伊東のいい時期はいつですか?」と聞かれて、必ず答えてきた「9月からの秋のシーズンです」という答え。

今年は未だなくならない新型コロナから始まり、長い梅雨、来ない台風など変なこと尽くし。

今までにない状況に、明日の海はどうなんだろう?と正直行き当たりばったりな状況。

もちろん、様々な状況や情報をもとにリクエストを超えられる答えを出せるように目一杯やっていますが、果たして正解にたどり着けているのか???

でも、そんな悩みを楽しみつつ日々ガイドが楽しくてたまりません。

こんな状況下でも毎日ガイドをさせてもらえる事に改めて、沢山のお客様や関係しているサービスやメーカー様に支えていただいているのだなと感謝ばかりです。

 

さて、長い前置きになりましたが9月伊東の海は・・・

水面と水底の水温差はなんと10度。

この状態がほぼ一ヶ月続き、先日の台風11号でとうとう水温差はなくなり現在全体的に23〜24度となっております。

季節来遊魚は例年より到来が遅いせいか、数も少なくこの先どこまで持ちこたえられるのかが心配ですが逆に昨年の高水温などで越冬した種も数多くいます。

やっときた季節来遊魚に伊東を訪れる多くのショップさん、ダイバーさんが目を輝かせていますが当店はほとんどその範囲に触れずひたすら一つを狙い続けています(いいのか?悪いのか?)

それは〜

サクラダイ。

伊豆半島には多く分布している代表的なハナダイで、オスは真っ赤な体に白い斑点がサクラを連想させます。

伊東では毎年9月中旬〜10月中の間、産卵活動の一環としてオス個体が多く密集し、そばらしい光景を我々に見せてくれます。

サクラダイのこの乱舞が有名なのが、田子、土肥、熱海、そして伊東。

私も各地を潜らせていただきましたが、伊東以外のピークは見たい事ないので偉そうなことは言えません。

ただ、聞きおよぶ話を参考にすれば伊東は今までその光景が見られるのが最も浅いのでは?ということでした。

今年は、長い梅雨、到来しない台風の影響もあり(これは個人的な見解ですが)メスの成熟が遅く9月に入っても産卵に至りそうな個体が非常に少ないと思われるのです。

昨年はこの9月中旬に15m付近にはお腹を膨らませたメス個体が多く見られ9月下旬には通常30m付近に生息するオス個体が婚姻色をギラギラさせて15m付近まで上がってくる光景が見られます。

今年は前述したようにメス個体の成熟が遅いせいか、ここ最近ようやくオス個体が婚姻色をだしやる気になって15m付近に少しずつ上がってきている状況です。

この状況が見られるようになると、25m〜30m付近には先ほどの写真のような真っ赤な乱舞が見られるようになります。

今年は今までと異なる季節の入り方だったためなのか、全体的に5〜10mほど深いのが特徴的です。

もう9月も終わり10月になりますが、この様々な異常が10月にどのような影響を出すのか?

結果的に今までとの差を比べるのに非常に重要な年月になりそうです。

そうそう、昨年と違う現象がもう一つ。

サクラダイの季節が落ち着くと次は「ナガハナダイ」の季節なのですが・・・今年はサクラダイよりもナガハナダイがとっても目立ちます。

今まで30m超えた水深で見られたナガハナダイが非常に浅く、またその数も例年にないくらい数が多いのです。

それに関しては10月にサクラダイを追いながら、次回にでもご紹介できるとなと思います。

 

10月に入れば秋も一気に終盤へ向かいます。

未だ遠出が難しいこの頃、少し暖かい間に冬支度もオススメですよ。

ドライスーツ未経験の方や、苦手な方も本格的な冬に入る前に慣れるためのダイビングがあってもいいのではないでしょうか?