海藻の季節を嬉々とす

海藻の季節を嬉々とす

すっかり冬だなぁ〜なんて思っていたら・・・・・・

もう海中は春に向かっていた。

鹿児島県本土より松田がお届けいたします。

桜島の麓を、潜り巡るとマメタワラやヒジキなどガラモの成長具合にバラツキがあったり、例年と比較すると遅れがあったりする。

僕らガイドは仮説を立てたりして観察を続けることになるのだけれども、水温の変化もあるのだろうが、どうやら日照時間によって生育の度合いが異なるように思う。

桜島の北岳や南岳を背にする西岸域は朝陽が遮られ午前中は陰になることも多く、最も成長スピードが遅い。

また、逆の東側がオープンな海岸線は1ヶ月程成長が早くグングンと伸びている。

この様に海はつながり海水温だけでは説明のつかない海藻たちの成長の謎もあるのかなぁと思います。

お馴染みの海藻ワールドも例年通り、或いは少し早い成長を見せてくれています。

毎日潜っているのに目に優しく、癒されて癒されて仏のような心になりそうなのでした。

春に向けて大きくなるアオリイカを釣り上げようと釣り人も多く訪れますが、海底に沈むエギにフレリトゲアメフラシの卵塊とダンゴイカの卵塊がそれぞれくっ付いておりました。

海中生物達から人間への皮肉にも感じますが、活用できるものであればもう少しこのままにしておこうね。

ダンゴイカの産卵を狙い3年経ちました。

まだ、きちんと夜間の撮影はできていませんが、12月に1週間ギュッと産卵する期間を突き止めました。(と言ってもたった3年分のデータですが)

2024年は12月1週間寝ずの観察班募集中です(笑)

一昨年の大型台風で消し飛んだアマモのエリアに今年もヒメイカが産卵に来始めました。

少し回復したものの、産卵床となるアマモは少なく流木や海底の釣具などに産み付ける個体も少なくありません。

海藻が伸び始める時期に、そして減りつつある藻場であっても一途に集まり営む生物達に今ある自然は当たり前ではないのだなぁと思い知らされます。

減っていくものもあれば増えていく亜熱帯種の海藻などあり私たちも楽しませてもらっています。

冬から春にかけてのすぐ足元の海を覗いてみて下さいね。

鹿児島県鹿児島市下福元町7641

ダイビングショップSB

http://sb-diving.sakura.ne.jp

松田 康司