皆さん、こんにちは。今日は一日、久米島からです。
水温も順調に上がり、海も華やぎ、絶好調です・・・(^-^)
碧い海に、マンタは乱舞し・・・、
トンバラポイントでは、回遊魚達が優雅に、そして時にはアグレッシブに泳ぎ獲物を狙い・・・、
幼魚達が、いろんなポイントで見られ・・・、
魚達は産卵し・・・、
毎日、仔魚達が旅立ちます・・・。
毎日、楽しく興味深い事だらけで、朝から晩まで潜って、身体が持ちません・・・(^_^;)
(ゴマモンガラの産卵 )
さて、ゴマモンガラのお話です。一般的に、ダイバーの間では、襲って来るので恐いとされてるゴマモンガラですが、
実は、危険なのは初夏の産卵期間だけなのです。しかも、危険なのは、その期間中の、産卵する前日に産卵床を作る日と、その次の産卵す
る日だけなのです。どういう事かというと、モンガラカワハギ系の仲間は、通常、早朝に雌雄で産卵して、その後、雌が一日中卵塊を保護
保育して、そのまま雌がその日の日没後に卵を孵化させます。つまり、産卵床を作る前日と産卵し孵化させるまでの当日一日のその2日間
だけが、卵を守る為、子孫を残す為に、防衛の為に襲ってくる危険な期間なのです。時折、産卵する時間が遅かったり、卵塊を、上手く保
育出来なかったりして、卵塊の全てを、産卵当日の日没後に孵化させられずに次の日に持ち込む事もありますが、まあ、産卵期間中の一回
の産卵の2日から長くて3日間が産卵の為の防衛本能のスイッチが入る危険期間なのです。
大体、1個体の雌が期間中2回の産卵をするので、4日〜6日間だけが危険なのです。中には稀に、産卵でもないのに、さっきまでは普通の
状態だったのに、急にスイッチが入る雌もいますが、この場合は、襲ってきますが、本番ほどの勢いはなく、こちらから向かって行くと
守る卵もないので、大概は直ぐに正気に戻ります・・・。
母ゴマモンガラは、早朝に産卵してから、その日の日没後まで、一切休みもせず、何も食べずに一心不乱に卵を成長させようと、卵塊に胸
鰭や体全体を使いながら水流を送り込み保育します。卵塊に近づくものがあれば、猪突猛進の如く体当たりし噛みつき何度も攻撃し、必死
で卵塊を守ります。その保育と防衛の攻撃を早朝から日没後まで、休みなくやる訳ですから、日没後の卵を孵化させる頃は、卵保護保育を
していた雌はフラフラで、胸ビレを激しく動かしながら水流を送り込んでる最中に気を失う事もあります。それでも直ぐに這い上がり起き
上がって、また一心不乱に卵保護保育していくのです・・・。
その姿を幾度も観察すると、卵を守る為に、僕らにとってはもの凄く凶暴な母ゴマモンガラの姿も、とても愛おしく想えるのです。
日没の約一時間後、卵塊を全て孵化させると、母ゴマモンガラは、長い一日を終えフラフラになりながら寝床に戻っていくのです・・・。
ハッチアウトするゴマモンガラの仔魚達・・・。母ゴマモンガラの口の下にも、たくさん孵化した仔魚がいるのが解りますか?
(近寄り方はあるですが、慣れなと危険なので、近寄るのはやめておきましょう)
一日の保育期間で、何千匹という数の仔魚達がハッチアウトしていきます・・・。