陸の猛暑にようやく水温が追いつき始めた鹿児島県本土より薩摩のコージこと松田がお送りします。
大雨がもたらした災害で亡くなられた方や様々なものを失った方の事を思うと海で潜ることを仕事とする私に何ができるのだろうといつも考えます。
何か災害が起きる度に考えさせられます。
その結果、自分に与えられた環境や仕事を精一杯にやれることをやろう!という結論に至ります。
それが正解か間違いなのかはわかりませんが、この7月も県内外から多くの鹿児島お初ダイバーをお迎えしてご案内してきました。
夏の装いにつき南さつまエリアは黒潮の分支流で青々と水は透き通りイサキの群れはうねる様に魚の壁と化します。
また錦江湾は水温の上昇と共にプランクトンの大量発生も手伝ってバスクリンを撒いた様に緑色に色づきます。
「安定の緑」です(笑)
赤色を演出するアカオビハナダイの乱舞と背景になる緑の水の色が鹿児島出身の私にとっては「青い海」も好きですが「緑の海」は落ち着きます。
同じ地域に滞在しながら全く異なる海をご案内できるので、その変化に驚かれる方も少なくありません。
そんなそれぞれの海も生命に溢れ産卵・闘争・求愛など生態行動もお盛んになります。
卵プリっとアブラヤッコの産卵。
昨年と同じ個体(ペア)が同じ場所で産卵してくれています。
鹿児島県本土で地味で一番個体数も多いのがナガサキスズメダイ。(産卵中)右がメス・左がオス
ポイントによっては実は魚類の頂点に君臨している!とさえ私は思っています。
上記のヤッコの産卵直後の卵を群がる様に食べ尽くし、他の魚の産卵さえ彼らにとっては「栄養補給の時間」にすぎない様に思えます。
そしてしっかりとナガサキスズメダイは卵保護をし繁栄を勝ち取っている様に思えます。
ハナビヌメリの闘争
普通の姿はすごく地味なハナビヌメリ。
どこが「ハナビ」やねん!とツッコミ続けた魚でした。
闘争する姿こそ彼らの本当の名前の由来なのかもしれませんね。
昼も夜も朝も潜り込み沢山のシーンに出会いご案内させていただきました7月。
その私にとっての日常に感謝しつつ、大雨により被災された皆様に1日でも早い日常が戻ることをお祈り申し上げます。