そこには負けられない海との戦いがあった。
鹿児島県本土の海より松田がお届けいたします。
潮の変動によって何かの種が一気に繁殖を始め、また違う種が異なる潮で一斉に・・・・・・なんて事柄を書き殴ったメモやノートを空き時間に整理していると思いがけない発見や気づきがあるものです。
弊社所属のスタッフ射手園が集めてきたデータで今年も開催して参りました。
「イバラカンザシ放精放卵祭り」
本当に物好きな方々にお集まりいただき(笑)無事に産卵に至りました。
写真は白いイバラカンザシから黄色の卵が放たれる様です。
こちらはシワシコロサンゴの放卵です。
昨年、シコロサンゴの大産卵の12時間前にこのシワシコロサンゴが産卵することがわかり今年もドンピシャのタイミングにて小規模ではありますが産卵です。
シコロサンゴ自体も凄まじい範囲の僅か10%程の産卵に今月は留まり、来月への期待も高まります。
12時間間隔が空くことに関しては、干潮から満潮へと潮の一つのサイクルによる換水が狙いで、近似種のサンゴの性の混同を避ける狙いがあるものと思われます。
ちなみに、映像は昨年世界初!!とのことで、写真も世界初・・・・・かな?
シコロサンゴの産卵とそれを食べるチョウチョウウオ。
南さつまエリアではこの種の産卵は少なく大規模で見ることはできませんが、ポツリポツリと産卵し、根こそぎ食べられてゆく様は「もう少し種としての戦略を考えろよぉ〜〜〜〜」とツッコミ放題です。
同じ群体でも一つ一つからポツリポツリと出る為かよく狙われます。
かくいう私もチョウチョウウオを追ってこのサンゴの産卵前の異変に気づいた訳で、彼らチョウチョウうおの嗅覚が凄まじいのかもしれません。
(鹿児島では何かの産卵がありそうな場合は、まずチョウチョウウオを追います)
トックリガンガゼモドキの放精。
棘皮動物の産卵はいつもエロ潮(そんな潮はないけど感覚的にあるモヤッとした潮)を感じると当日から翌日くらいまではお祭り状態になる。
上記エロ潮の存在については、海をご案内させていただくことがあれば詳細についてはジックリコトコトお話しさせていただきます。
第三放精卵とか言っておきながら4つ紹介してしもうた!
いやいや、まだまだ沢山あるのですがこの辺にしておこう。
最後は天の川を感じて欲しい。
キンセンイシモチのハッチアウトです。
口内で育てられた卵の中の仔魚は一斉に外へ溢れ出し、送り出されます。
同じ個体でも一つの卵塊の全てをハッチさせるのには4〜5回の放仔作業が必要になり、ゲストさん方もそれだけのチャンスがある為比較的撮影しやすいシーンとなっております。
夜に朝に様々なシーンが目まぐるしく訪れます。
これぞ「夏」の海なのです。
鹿児島県鹿児島市下福元町7641
ダイビングショップSB
松田 康司