みなさん、こんばんは。
毎月、7日は三保真崎から 鉄が海中情報をお伝えします。8月、9月と忙しいふりをして飛ばしてしまい申し訳ありませんでした<(_”_)>。
先月末の「中秋の満月」をご覧になりましたか。次回、満月と中秋の名月が重なるのは7年後の2030年まで無いと聞き、暫くは見れないと言うことでMoon Gazerな私は、18:58の「真満月」を狙ってみました。
生憎その時間帯は、私が生活している場所では、低い位置に雲が垂れ込めて、その撮影が上手くいかないであろうことが示唆されていました。自然を相手に趣味や仕事とする人にとっては、予定調和よりも「ダメもと」方が、これまで経験してきた回数が多いはずです。ワンチャンを望まない人には、その機会がおとずれることは永遠にありません。逆にダメでも挑戦を止めなければ負けになることは永遠にありません。
それが、私の海の付き合い方であり、自然との向き合い方なのです。
今回、タイトルにした「ガイドは月を見上げている」ですが、ガイドに限らず海の民は、晴れた夜は月を見上げます。そして、月の満ち欠けを見て、明日の海を知ります。もちろん、毎日海に入っていれば翌日の潮汐が1時間程度ズレてやってくることは分かるので、自分の潜るタイミングで潮流や魚類の活性がどのように変化するのかを予測することは難しくありません。気圧の影響で潮汐時間や潮流の速度が微妙に変化しますが、ベターなタイミングで生物が繰り広げるアトラクションに遭遇できるように、ブリーフィングのタイミングを調整して、巻きでエントリーしてみたり、牛歩戦術を駆使してみたりして、「あ、私はこのシーンを見るためにダイビングを始めたんですね?」って光景に寄せます。
既にSNSでご覧になった方もいらっしゃると思いますが、この1ヶ月の間というか、このウミウサギガイの存在を知って以来の感動の出来事だったのでリマインドします。
ホストのコエダモドキは、例えるのであれば有線イヤフォンのケーブルとほぼ同じ太さです。
ほぼ、その太さと同じ幅のビードロマメヒガイを見たのは初めてです。水中で何かその存在を確認して撮影しているのは間違いないのですが、この大きさの生物を認識して撮影することは、今の私には不可能なレベルの状況です。つまり、実際はシャッターを切った時点では記録されるであろうモノが何であるかは分かっていませんでした。現像して初めてその存在していた何かを知り、写って(ピントが合って)いた幸運に感謝しました。
よくよく見ると、アイボリーに近いコエダモドキにピンクオレンジの部分が確認できますが、これは今月から来月にかけて放出されるプラヌラです。このカットの価値観を理解してくれる方がどれほどいるかは分かりませんが、こんな幸運をもたらしてくれるのは、晴れた夜に月を見上げているからだと思います。
ガイドは、月を見て海を知るのです。知ることで海がガイドに話題(ネタ)を提供してくれるのです。でも、そう思って月を見上げてはいけません(笑)。