梅雨の戻りで凄まじい雨かと思えば、気が狂いそうな程に暑い陽射しが照りつける鹿児島本土より松田がお届けします。
この7月は主にまだ極秘の生物の撮影や調査を抱え、ろくに自身の撮影に臨めないもどかしさもありましたが、着実に良い感じのデータが集まっております。
それでも、この時期は目を瞑っていても生態シーンに遭遇する(大袈裟だけど)時期な訳でして、様々なシーンを案内しております。
最近は新しいテーマとして、新しく訪れた種の繁殖についてご案内しております。
季節来遊的なものではなく、数年前から個体を確認し増えてきた亜熱帯種が、その海域に定着し繁栄する過程を追いたいなと。
写真はニセモチノウオの産卵前の姿です。
シコロサンゴの上にある決まったウミシダの上で毎回上昇産卵をするのでした。
雌のムッチリムチムチプリティボディがたまらんです。
初夏の生態観察で自身の体を慣れさせるために僕が毎年行うのが、イシモチの仲間の産卵観察。
「待つこと」「考えること」「観察眼を高めること」などなど彼らと過ごす時間はとても大切です。
写真はスジオテンジクダイの産卵様子です。
鹿児島では16時〜19時台後半まで幅広い時間帯に卵の受け渡しシーンを見ることができます。
こちらは、キンセンイシモチのハッチアウト。
日が暮れてから程なくして、卵を咥えた雄が仔魚を放出するわけですが、放出する個体なのか、そうでないのかの見極めが大切です。。。
リュウキュウヤライイシモチは南さつまの海ではどんどん減っている種でもあります。
増えていく種もあれば、減っていきやがていなくなる種もあるはずです。
そんな種のシーンも記録していきたいものです。
口内から放たれた仔魚はキラキラと星屑のように美しく、しばらく見惚れてしまいます。
また、この海で大きくなって命を繋いでね。
今年で8年目になる、あるクマノミのペアがいます。
そのエリアでは一番の産卵回数を誇り、例年シーズン終盤には雌はガリガリに痩せてしまう程産卵を行います。
そんな雌が他のイソギンチャクから離れた雌のクマノミと一日中縄張りをかけ闘争していた記録です。
侵略してきた雌のクマノミはご近所さんでしたが、イソギンチャクが痩せ細り、そこでは生活できない!と判断しそのような行動に出たのだと推察されます。
互いに鰓蓋や顔に噛みつき、胸鰭の付け根の傷跡は2週間ほど経過した今も残ります。
数時間に及ぶ争いも結局は先住のクマノミの雌が勝ったわけですがまさに死闘。。。
しばらくは、卵を産まずに体を癒すことに専念していたように伺えます。
現在はピーク時より随分と少ない卵を産みましたが、また元気に我が子を育ててね。
海の中では今日も小さな小さな変化や出来事が起こっているんだろうなぁ〜
感度高めてまいりましょ!!
鹿児島県鹿児島市下福元町7641
ダイビングショップSB