北海道函館から今月の海情報です。
気温的には非常に過ごしやすい季節となりました。
3方を海に囲まれたこの地域はこんな季節でも暑からず寒からず至って快適に過ごしています。
しかし、それは陸上のお話し。
水中は年間で最も水温予想の難しい季節なのです。
水面水温では早くも20度を超える日も出始めました!
が、そこは親潮の差し込む海だけあってコロコロと水温変化が激しいのです。
1本目21度、2本目13度なんて日も結構あります。
まさに太陽と北風、水温差8度はインナーにも悩みます。
そんな季節のお楽しみをご紹介いたします。
毎年恒例のホタテの稚貝ですが昨年の高水温が響いたのか全くの不作です。
その愛おしい一粒を丁寧に撮影することをお勧めいたします!
数は少なくてもやはり魅力的!
そして個人的に外せないのが先月繁殖をしたイソバテングです。
托卵タイプで孵化までに人並みに10ヶ月の時間よ要します。
決まったカイメンにしか産卵しません。
それがミケーレ粘着カイメンです。
卵は数粒ずつあちこちにカイメンに分散して産卵が行われます。
産卵前にカイメンを覗き込んだり臭ったりするような仕草で品定めしています。
そして、あまり数は多くないのですが今回ご紹介するのはスナモグリです。
ただいま繁殖真っ盛り!
こちらがオス。
ハサミの片側が大きく成長するのが特徴です。
でも、正直言っていまだに僕の中でニホンスナモグリとスナ潜りの違いが定かではありません。。。
でもってメスはこちら↓
繁殖特有の色を出しています!
つぶつぶダメな人ごめんなさい!
これがお腹に抱えられた卵塊です。
すでに目ができ始めているのがわかります。
そしてアマモ。
この季節だけの花をつけています。
また、光合成を確認できるのは水中の特権でもあります。
頑張って大きく撮影してみると花の細胞まで確認できました。
葉上に着生した石灰藻まで写真に色を添えてくれます。
花の下に白っぽく沈むように見えるのはこれから流れ出る花粉です。
花粉を飛ばし終えた花はあちこちで散っていきます。
花筏のようなボリュームはありませんは散りつつも漂う様子には風情すら感じます。
そして最後に紹介するのはこの季節訪れる湖です。
それは支笏湖です。
お楽しみは北海道の固有種「千歳梅花藻」です。
河川と違いすっくと立ち上がり水面下で開花する小さな花に癒されます。
また、数種の水草が繁茂する中、リュウノヒゲモは好天の日に楽しいショーを見せてくれます。
日差しの強さで酸素玉の間隔が変わります。
リズム感もあり見ているだけでも楽しくなります!
そして、同時に観察できるのがイトヨの繁殖です。
普段は緑がかった体色をしていますがこの季節オスは婚姻色に身を包みます。
営巣し繁殖する姿は動画でも魅力的です。
そして最後に紹介するのは普段はほとんどスルーするヌマチチブです。
オスの婚姻色は普段のイメージとは違い実に美しくなります。
胸鰭周辺の岩肌に見えるのが卵塊です。
こんな楽しい季節です!
GruntSculpin佐藤長明でした。