旅立ち

旅立ち

2月から始まったナガレヒキガエルの観察会、つい先日に子ガエル達の上陸を見届けることが出来ました。

小さな命が一生懸命に山を目指す瞬間は、何度見ても心が熱くなります。

今回の撮影会では写真家の阿部さん、そして堀口さんには多大なご協力を頂きました。

また、トニーさんは、ほぼ三ヶ月間の滞在で、同世代なこともあり、気があって楽しく過ごさせて頂きました。

そして、沢山学ばせて頂きました。また、来年の春もカエル達が元気に産卵に来る事を願います。

それでは、先月のナガレヒキガエルの様子をご報告します。

上陸間近の後ろ脚が生えたオタマたち。体表にまだら模様が表れています。変態するまでのオタマは、想像以上に強く、主食の苔の他、イモリの死骸なども食べる雑食性です。
ちなみに天気が良いと、半水面な状況で水際ギリギリまで集まってきます。この謎の行動について、トニーさんともあれこれ話したのですが、①体を温めて変態の促進をしている ②美味しい苔の芽が生えてきている この2つの説が有力。ちなみに日が陰ると深場に移動します。

いよいよ上陸開始。体長は5mmくらい、尻尾が未だ残っています。上陸後は一週間、捕食活動はしません。しかし、この瞬間から、動くモノしか食べられなくなると言う、悲しいカエルの性。土中のトビムシ、ワラジムシの赤ちゃん、アブラムシなどを捕食していきます。オタマ時代は何でも食べられて楽だったのに。
余談ですが、オタマって後ろ脚は徐々に生えてきますが、前脚はある日突然に体を突き破って表れるんです。

殆どが森にたどり着く前に太陽の餌食に。日差しのある時に揚がる子は、生き残れません。
この時点で相当数が淘汰されていきます。

この子達は未だ生存率が高いグループ。小さな葉っぱに隠れて太陽光を防いでいます。彼らの大敵は乾燥。この時期の子ガエルは、表皮が薄くてデリケートです。賢い子しか生き残れないように、自然のふるいにかけらていきます。

葉っぱボードに乗る子ガエル。可愛すぎる。

トニーさん3ヶ月間ありがとうございました。