今回は今が旬の「龍宮の乙姫の元結の切り外し」と、最も長い植物名を持つ標準和名「アマモ」で知られる海産種子植物です。
アマモは「甘藻」とも言われ地下茎をかじると甘い味がすることから命名させれたとも言われています。
海産種子植物と言われる通り生息場所は浅場の海の中で砂地に根を張り群生しています。
アマモは沿岸域の砂地に竹のように根を張り巡らせる為、砂地を安定させたり甲殻類や頭足類クラゲに魚類など様々な生物の生息場所や隠れ家、繁殖場所としてなど様々な生き物たちに恩恵をもたらします。
普段は膝丈ほどの背丈のアマモですが6月から7月にかけて一気にその長さを2mほどにまで伸張させます。
その理由は花の季節を迎える為です。
海中でありながら根から栄養を吸収し葉で光合成をし花を咲かせ花粉を飛ばし受粉し種子を飛ばして繁殖すると言う陸上植物と変わらぬ生活しを見せてくれます。
やがて、包葉に包まれた花は押し出すように開花し花粉を飛ばします。
花粉は海水が動くたびに流れ出しますが写真のように光合成した酸素を包み込みむように水面まで打ち上げられる様子も魅力的です。
この季節、穏やかに晴れた日は太陽光を一杯に受け取った甘藻はキラキラ感満載の海の中から出来たての酸素を届けてくれます。
やがて種子を飛ばし発芽し小さなアマモ場が生まれるのです!
大きく育ち花をつけるにはあと3年、時化にも負けず根付いてほしいものです!
写真・文
ダイビングサービス・グラント スカルピン 佐藤長明